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不育症Fuikusyo

1.不育症とは

流産は妊娠の約15%に生じますが、流産を2回以上繰り返した場合、不育症と診断されます。この場合の流産は子宮内に胎嚢が認められたのちの流産であり、生化学的妊娠は流産回数に含めません。

2.不育症の原因別頻度(厚生労働省研究班2010より改変)

厚生労働研究班より報告されたわが国の不育症の原因別頻度です。

3.不育症スクリーニング検査

国内外の不育症に関するガイドラインを参考に、当クリニックでのスクリーニング検査項目を下の表のように選定致しました。

子宮形態検査 内分泌検査 染色体検査 抗リン脂質抗体 血栓性素因 自己抗体
超音波検査 甲状腺機能検査
(fT4、TSH)
夫婦染色体
Gバンド法
抗カルジオリピン
β2GPI複合体抗体
APTT、PT 抗核抗体
子宮鏡 糖尿病検査
(HbA1c)
ループスアンチ
コアグラント
第Ⅻ因子活性
MRI プロラクチン 抗カルジオリピン抗体
IgG、IgM
プロテインS活性
抗PE抗体IgG、IgM プロテインS活性

① 子宮形態検査

子宮鏡検査は子宮内腔の異常の有無の検出に必須の検査です。子宮内膜ポリープや子宮筋腫、子宮内膜の炎症、子宮奇形(双角子宮や中隔子宮)、子宮内腔癒着などが見つかる可能性があります。必要に応じてMRI検査を追加致します。

子宮鏡検査に使用しているファイバースコープです。

当クリニックでは、最新の機種を採用しております。

子宮内画像です。高画質な画像により、微細な病変も検出可能です。

② 内分泌検査

甲状腺機能異常は不育症の原因となる可能性があります。
最近注目されている、潜在性甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが正常でもTSHのみ高値を示すものであり、不育症との関連が報告されており、甲状腺ホルモンを補充することにより、治療可能です(内科専門医にご紹介致します)。糖尿病や高プロラクチン血症も不育症と関連する可能性があります。

③ 染色体検査

夫婦の染色体検査により異常(均衡型相互転座、ロバートソン転座)が見つかる可能性があります。この転座が見つかる頻度は、一般集団では0.2%であるのに対し、不育症患者では2~4%程度に認められたとの報告があります。

④ 抗リン脂質抗体および血栓性素因

現時点で最も有効な治療法の確立している不育症原因です。抗リン脂質抗体や血栓性素因(Ⅻ因子、プロテインS、C)が陽性の場合には、血液が固まりやすく、血栓症を起こしやすくなります。妊娠した場合の胎盤内の血管においても血栓による血液凝固異常が胎盤循環不全を引き起こし、最終的に流産に至ると考えられています。治療法はヘパリン、アスピリンによる抗凝固療法が標準的治療として推奨されています。

⑤ 自己抗体

抗核抗体は全身性の多臓器疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病を持っていると高い値となることが知られています。この膠原病は不育症との関連が知られています。抗核抗体が80倍以上の場合には膠原病に関連した自己抗体の検査を追加し、必要に応じて内科専門医に紹介致します。

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