体外受精&顕微授精の方法と費用について

IVF-ET methods and costs

当院で行なっていた卵巣刺激法には、「高刺激法・全胚凍結」と「低刺激法・全胚凍結」の2つの方法がありました。いずれも採卵後に全胚凍結し、子宮内膜を良好な状態にしてから、凍結胚を融解し、胚移植するものです。
これらの卵巣刺激法は、2021年度においては、今年度限定の助成金制度を活用し、これまでより約30万円の負担軽減となります。
さらに、この助成金制度を利用した「超低刺激法・新鮮胚移植」を新設いたしました。こちらは卵巣の刺激が少なく、子宮内膜の回復を待つ必要がないため、新鮮胚移植を行うことが可能です。
このプランでは自己負担額8万円で高度不妊治療を行なっていただけます。
このページでは、今年から新設された「超低刺激法・新鮮胚移植」を含めて当院で行なっている体外受精と顕微授精に向けた3つの卵巣刺激法についてご紹介いたします。

2021年度は助成金適応で下記費用からいずれも30万円の助成が受けられます。

※横にスクロールしてご確認ください。

体外受精 顕微授精
高刺激法・全胚凍結 約62万円 約70万円
低刺激法・全胚凍結 約55万円 約63万円
超低刺激法・新鮮胚移植 38万円 38万円

※費用はすべて税込み価格です。
高刺激法と低刺激法では使用薬剤に個人差があり費用は概算です。
詳細は下記各治療法の説明をご覧ください。

排卵誘発法について

排卵誘発法について

排卵誘発法には高刺激法(ウルトラロング法、ロング法、ショート法、アンタゴニスト法)、中刺激法(高刺激法と低刺激法の中間の卵巣刺激法)、低刺激法(排卵誘発剤の飲み薬と少量の注射を使用)、自然周期法(注射も内服も排卵誘発剤の薬を使わない)があります。

当院では、体への負担が少ない低刺激法と、複数の卵胞発育が期待できる高刺激法(GnRHアンタゴニスト法)を積極的に取り入れてきました。

高刺激法と低刺激法では排卵誘発に伴う子宮内膜が薄いことが多く、採卵直後に胚移植を行う新鮮胚移植は基本的に行いません。通常は全胚凍結し、子宮内膜を厚くした後に、凍結胚を融解して胚移植を行います。

超低刺激法・新鮮胚移植法では、子宮内膜が厚くなるのを待つ必要がないため、新鮮胚移植が可能です。

患者様の適応やご要望により、医師と相談の上、排卵誘発法を決定させていただきます。

「高刺激法・全胚凍結」の詳細

「高刺激法・全胚凍結」の詳細

高刺激法(GnRHアンタゴニスト法)は、注射薬(FSHまたはhMG)を使用し、より多くの卵子を確保するための方法です。

従来型「高刺激法(GnRHアンタゴニスト法)」図解

卵胞を育てるための排卵誘発剤の注射をほぼ毎日行っていきます。個人差はありますが排卵誘発の注射は、10日間ほど行います。周期の後半はこの排卵誘発剤と同時に、卵胞から卵子が飛び出さない(排卵しない)ようにするための薬剤(GnRHアンタゴニスト)の注射も加わります。

診察は採卵までに3~4回行います。診察時は毎回、エコーとホルモン採血検査を行い、その結果をみてその後の薬の量や種類、来院日などを決めていきます。採卵日が決定したら採卵日より2日前の夜、 HCG注射またはブセレキュア点鼻を行い、排卵を促します。排卵直前の卵を採取するため、ブセレキュア・HCGは時間を指定して点鼻や注射を行っていただきます。

メリット

  • 排卵のコントロールが比較的可能なため採卵日を調整しやすい
  • 1回の採卵で回収できる採卵数が多い
  • 排卵を抑えながら卵胞発育をすることができるため、発育卵胞数が多くても排卵する確率が低く、卵胞の発育を待つことができる
  • 採卵当たりの妊娠率がやや高い

デメリット

  • 排卵誘発剤の使用量が多いため、低刺激法と比較すると卵巣過剰刺激症候群になりやすい
  • 予想以上に排卵抑制がかかり、卵胞が未成熟になる可能性がある
  • 治療費負担が高め
  • 2~3ヶ月毎にしか採卵することができない
「高刺激法・全胚凍結」の費用

「高刺激法・全胚凍結」の費用

※誘発剤や注射、ホルモン検査、診察料金等込みの費用ですが、使用薬剤に個人差があり費用は概算です。また、若干変更となる可能性があります。

体外受精

約62万円
30万円の助成を受けることで、総額約32万円で治療が行えます。初回の融解胚移植費用(約18万円)込みの費用です。

顕微授精

約70万円
30万円の助成を受けることで、総額約40万円で治療が行えます。初回の融解胚移植費用(約18万円)込みの費用です。

追加実施の凍結融解胚の移植

18万円
余剰凍結胚があり、追加で融解胚移植を行う場合です。10万円の助成を受けることで、8万円で行えます。

助成金の適応について

治療開始年齢が40歳未満の方は一子あたり6回まで、40歳以上43歳未満の方は一子あたり3回まで適応することができます。また、所得制限が撤廃され、事実婚でも助成対象になりました。

「低刺激法・全胚凍結」の詳細

「低刺激法・全胚凍結」の詳細

医学的適応による低刺激法プラン図解

毎日、排卵誘発剤(クロミフェン2錠)を内服していただきます。
診察は採卵までに3~4回行います。
診察時は毎回、エコーとホルモン採血検査を行います。必要に応じて排卵誘発剤を注射します。
採卵日が決定したら採卵日より2日前の夜、 HCG注射またはブセレキュア点鼻を行い、排卵を促します。
排卵直前の卵を採取するため、ブセレキュア点鼻・HCG注射は時間を指定しておこなっていただきます。
採卵周期中の新鮮胚移植は行わず、良好胚を(全胚)凍結しますので、採卵日より3日目に胚の凍結について相談させていただきます。
凍結した胚は採卵とは別の周期に、融解し胚移植を行います。

赤字: 超低刺激法(新鮮胚移植)プランとの違い

「低刺激法・全胚凍結」の費用

「低刺激法・全胚凍結」の費用

※誘発剤や注射、ホルモン検査、診察料金等込みの費用ですが、使用薬剤に個人差があり費用は概算です。また、若干変更となる可能性があります。

体外受精

約55万円
30万円の助成を受けることで、総額約25万円で治療が行えます。初回の融解胚移植費用(約18万円)込みの費用です。

顕微授精

約63万円
30万円の助成を受けることで、総額約33万円で治療が行えます。初回の融解胚移植費用(約18万円)込みの費用です。

追加実施の凍結融解胚移植

18万円
余剰凍結胚があり、追加で融解胚移植を行う場合です。10万円の助成を受けることで、8万円で行えます。

助成金の適応について

治療開始年齢が40歳未満の方は一子あたり6回まで、40歳以上43歳未満の方は一子あたり3回まで適応することができます。また、所得制限が撤廃され、事実婚でも助成対象になりました。

「超低刺激法・新鮮胚移植」の詳細

「超低刺激法・新鮮胚移植」の詳細

超低刺激法・新鮮胚移植は、経口排卵誘発剤(クロミフェン1錠)のみまたは、注射薬(FSHまたはhMG)を数回使用して、卵胞の成熟度を見極めて採卵します。

新・低刺激法プラン図解

毎日、排卵誘発剤を内服していただきます。
診察は採卵までに3~4回行います。
診察時は必要に応じて、エコーとホルモン採血検査を行います。また、適宜排卵誘発剤を注射します。
採卵日が決定したら採卵日より2日前の夜、 HCG注射またはブセレキュア点鼻を行い、排卵を促します。排卵直前の卵を採取するため、ブセレキュア・HCGは時間を指定して行っていただきます。

メリット

  • 排卵誘発剤が経口薬のため通院回数が少ない
  • 刺激量が少ないため体に優しい
  • 連続周期で採卵することができる
  • 採卵時、局所麻酔で施行することができるため身体への負担が少ない
  • 治療費負担が低い

デメリット

  • 排卵のコントロールがしづらいため、決まった日に採卵ができないことがある
  • 採卵当たりの妊娠率がやや低い
  • 1回の採卵で回収できる採卵数がやや少ない
  • 採卵予定日前に排卵してしまうことや、卵子がないことがある。
「超低刺激法・新鮮胚移植」の費用

「超低刺激法・新鮮胚移植」の費用

※誘発剤や注射、ホルモン検査、診察料金等込みの費用です。超低刺激法では使用薬剤の個人差は少なく、一部の例外を除いて下記費用で施行可能です。いずれも費用は若干変更となる可能性があります。

自己負担額「8万円」プラン

採卵+新鮮胚移植+余剰胚凍結すべて含む(顕微授精も含む)

38万円
総額38万円のところを30万円の助成金を活用して、8万円で行うことができます。

追加実施の凍結融解胚移植

18万円
10万円の助成金を活用して、8万円で行うことができます。

※凍結保存した余剰胚がある場合は、それを融解し、子宮内に戻します。その費用です。余剰胚がない場合は採卵から行いますが、その場合も前記の通り自己負担金は8万円で行うことができます。

余剰胚凍結保存費用

無料(「8万円プラン」に含む。採卵後1年間まで)
1年以後は別途保存費用を申し受けます。(4.4万円/年間)

助成金の適応について

治療開始年齢が40歳未満の方は一子あたり6回まで、40歳以上43歳未満の方は一子あたり3回まで適応することができます。また、所得制限が撤廃され、事実婚でも助成対象になりました。