原因不明の反復性不成功例の方々に、当院の西洋医療的アプローチに加えて漢方を併用することにより、2〜3割の方が妊娠に成功しています。
自然な妊娠を希望される方、また婦人科疾患でお困りの方へ
医師 新見正則
外科医で漢方医の新見正則です。
当院で水曜日の午後に妊娠相談と婦人科の漢方外来を行っています。また月に一回(第三火曜日夜)、当院で開催している無料勉強会のファシリテーターを務めています。
ここでいろいろな来院者の方のお話をうかがっていると、「人工的なアプローチはしたくない」「自然な方法だけで妊娠したい」とお考えの方が大勢いらっしゃることがわかりました。そのお気持ちはよくわかります。
僕は自然な方法といえば、「基礎体温の計測」「月経周期によるタイミング法」、そして「体質改善」だと思っています。
実は、僕は移植免疫学を専門とする外科医として20年以上、西洋医療の第一線に立ってきました。その結果、たどり着いた結論のひとつが西洋医学には限界があり、それが及ばない部分に「漢方」の力が有効活用できる、というものです。漢方は中国に端を発する「生薬の組み合わせ」薬です。生薬とは、日本の山野に多く自生もしている草木の根や葉や実を乾燥させたものであったり、なかにはミカンの皮を原料とするものもあります。食品と変わらないものと言えましょう。しかし薬効を持っているものです。
この漢方には西洋医療では当たり前の高レベルなエビデンス(研究発表)はほとんどありません。しかし、数千年の歴史の中できっとこれは多くの方に効果がありそうだ、とまとめられてきたものです。緻密な組み合わせは、例えばどれか一つ構成生薬が欠けてしまうとまったく効果を発揮しないこともあるなど、非常に興味深い性質を持っています。このような特徴やその効果に魅了されて、僕は西洋医と並行して、漢方医としても20年の経験を積みました。この間、毎日何例も、西洋医療ではよくならなかった症状や疾患が、漢方でよくなった、という経験を得ています。
そのような漢方薬ですが、妊娠、婦人科領域では、飲んだらすぐ効くというよりも、時間をかけて体質を改善していく、というニュアンスで効果を感じていただければと思います。それでも、月経の周期が安定したり、そもそも月経が困難だったり、冷えがあったり、男性では精力の元気がないような状態の時に使えるものが何種類もあるのです。これを皆さんの体質や体の状態をみて処方していきます。食品の延長である漢方薬も、自然な妊娠をサポートする一つの方法と言えるのではないでしょうか。
クリニックに行ったら、必ず外科的に何かされる、とお考えの方もいらっしゃると思います。しかし当院ではそのようなことはありません。ナチュラルな妊娠をご希望の方も、上記の自然な方法をいくつか行うことで、確率を高めることができると僕は考えています。また婦人科の疾患可能性をお考えの方も、ぜひお気軽にお問い合わせいただければと思います。