【特別外来】難治性卵巣機能不全

対象となる症例

対象となる症例

  1. 早発閉経・早発卵巣機能不全(Premature ovarian insufficiency:POI)と言われた方
  2. 40歳未満で妊娠を望んでいるが自発的な月経が来ない方
  3. AMHが低い、測定できないため妊娠が難しいといわれた方
  4. 高齢により、卵巣機能が低下したと言われた方

当院では上記の方に特化した診療体制を整え、妊娠を目指します。

治療の概要

治療の概要

抗ミュラー管ホルモン(AMH)は卵巣機能を評価する有用な検査ではありますが、その数値だけからは妊娠の可能性についてすべてを推測することはできません。個々の患者様の卵巣の力を評価したうえで最適な治療方法を提案します。

治療効果と治療費用のバランスを個々の患者様と相談し、可能な限り希望に沿った治療方法を選択していきます。貴重な卵子1個のもつ可能性を最大限に引き出し妊娠に結びつけるためには個々の患者様のホルモン状態および卵巣の状態を慎重に評価しながら、適切な薬剤を利用して最適な状態に整える必要があります。年齢によって生じた卵子の質の低下を改善することはできませんが、数の低下により妊娠確率がさがっている状況は綿密な治療計画と粘り強い診療により妊娠の可能性が残されています。画一的な治療体制では対応は困難で、経験を要する治療が必要となります。これまで多くの早発卵巣不全の患者に向き合い、不妊治療をあきらめかけた方を妊娠に導いた専門医師が中心となり診療を行います。

早発卵巣不全は極めて難治性の不妊となるため、妊娠に到達できる可能性は決して高いとは言えませんが、当院の経験に基づいた診療方針にご納得いただいた方には全力で治療に臨ませていただきます。AMHが極端に低い場合でも可能性が残されている場合がありますので、是非、古谷医師の外来受診をご検討なさってください。

基本的な治療方針

基本的な治療方針

  • 貴重な卵子の発育を逃さず、最適な状態で発育させるため血液検査や超音波検査を頻回に行い卵巣の状態を慎重に評価します。
  • 最適なホルモン状態を目指すため独自の方法により内服薬、点鼻薬、自己注射剤を併用しながら卵子の発育を促します。
  • 貴重な卵子を少しでも失わないために体外受精をおこない、着床の可能性のある受精卵(初期胚)を凍結して貯胚します。
  • 得られる卵子が少ない場合が多いため、受精能が高いと思われる精子を特殊な技術で選別し顕微授精を行い、少しでも高い受精率を追求します。

※上記の方法を利用することで良好な結果が得られると考えておりますが、その場合は現在の保険診療の制約の範囲を超えてしまう場合が多く、原則自費診療となります。